1年で獣医師を辞めて、1ヶ月で世界一周した話【番外編 旅先で感じた動物との関わり】

世界一周(2023.09-10)

こんにちは。旅好き獣医師のこんです。

現在は動物病院で獣医師として働く傍ら、旅の素晴らしさを共有するためにブログを執筆したりSNSを更新したりと、日々楽しく忙しく過ごしています。

過去に、新卒で働き出した動物病院を一年で退職し、1ヶ月間の世界一周旅行に出たことがありました。

今まで3回お届けしてきましたが、今回は番外編です。

世界一周の旅をしていると、食や文化、人、景色など印象に残る出来事がたくさんあります。

その中でも獣医師としてどうしても気になるのが “その国の動物との関わり方”です。

今回は私が各国で見た、驚き・発見・ちょっとした疑問も含めた「動物事情」をお届けします。

ただ観光していただけでは気づけなかったかもしれません。

インド|神聖な牛と日常のカオス

インドの街中では、牛が道を堂々と占拠しています。

車やバイクがクラクションを鳴らしてもどかず、牛優先社会が広がっていました。

8割のインド人が信仰しているヒンドゥー教では牛は神聖な存在です。食べることは滅多にないそうで、野良牛がたくさんいました。

しかし、実際には交通の邪魔になると棒で叩いて追い払っている人もいて、「神聖化」とは、、、となりました。

さらに、野良犬、猿も日常の風景です。猿は屋根を飛び移っていたり、お供え物をあさっていたりと、人間の生活圏にしっかり入り込んでいました。

食文化で特徴的だったのは、豚肉をほとんど見かけなかったこと。

これは宗教的な背景(イスラム教・ヒンドゥー教ともに忌避されることが多い)からで、カレーのお肉はだいたいチキンかマトンが主流でした。

街に出るとすぐに野良牛、野良犬に当たります

アメリカ|ドッグフレンドリー社会に感動

アメリカはとにかく犬と人との距離が近い国でした。

スーパーマーケットに犬を連れて入るのはごく普通の光景で、レジで「可愛い子ね」と声をかけられている場面にもよく遭遇しました。

また、メジャーリーグの球場や国際線の機内にまで犬が乗っているのは驚きました。

実際、私が乗った飛行機でも前の座席の下から犬の鼻先がぴょこっと見えてきて、目が合うこともありました。長距離フライトでしたが終始癒やされていました。

こうした社会の背景には、サービスアニマル(介助犬・セラピー犬)文化の浸透や、動物福祉の法整備が進んでいることがあると感じました。

モロッコ|国際線制限エリア内に野良猫の衝撃

モロッコでは街中のいたるところに猫がいました。

それだけなら「猫の多い国だな」と思うだけだったのですが、

一番驚いたのは、国際線の制限エリア内(出国審査後)に猫がいたことでした。

どこから来てんという驚きもありましたが、

獣医師としては「これ…検疫的に大丈夫なのか?」と考えてしまいました。

もちろん可愛いのですが、国際的な衛生管理が求められるエリアだけに、やや不安も覚えました。笑

マラケシュではそこら中に野良猫がいました

オーストラリア(番外)|固有種との共存モデル

今回の世界一周では行っていないのですが、過去に訪れたオーストラリアでも動物と人間との共生に感銘を受けました。

カンガルーコアラといった固有種の保護や研究、ツーリズムとのバランスは非常に洗練されており、

野生動物と人間の共存」の理想形の一つだと感じました。

国全体としての取り組みレベルの高さは印象的でした。

キュランダのコアラガーデンズにて

おわりに|“動物”を通して見えるその国の価値観

旅先で出会った動物たちは、その国の 文化・宗教・生活の中に生きている存在です。

同じ動物でも、地域によって「神聖な動物」「人と暮らす伴侶」「衛生管理上の対象」など、捉え方も扱い方もまったく違ってきます。とても興味深いものばかりでした。

獣医師の立場だからこそ、見えてきたことも多かったです。

観光だけでは分からないその国の文化が、動物との関係性から垣間見える。

それが、旅の楽しみの一つでもありました。

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