こんにちは。旅好き獣医師のこんです。
私は動物病院で働きながら、これまでに 25カ国 を旅してきました(2025年2月現在)。
日々働きながら、愛犬さんと海外旅行に行きたいという飼い主様が最近増えてきたなーと感じています。
愛するワンちゃんと一緒に海外旅行に行くのはワクワクしますが、準備や注意すべきポイントが多くあります。今回は、現役で動物病院で働く獣医師の私が、獣医師の視点からペットを安全に海外旅行に連れて行くためのガイドをお届けします!

渡航先の規制と準備
国ごとの規制の確認
渡航先によってペットの入国条件が異なります。例えば、EU圏内に入国する際は、以下のような条件が求められます。
- マイクロチップの埋め込み(ISO 11784/11785規格)
- 狂犬病ワクチン接種(接種後、一定期間経過が必要)
- EUパスポートまたは狂犬病抗体価検査証明書
- 入国許可申請が必要な国もある(例:オーストラリア、ニュージーランド)
- 係留期間の有無(国によっては到着後一定期間、ペットが検疫所で待機する必要がある)
事前に各国の公式機関のウェブサイトを確認し、必要な書類を必ず揃えておきましょう。
日本帰国時の書類の確認
日本にペットと共に帰国する際は、動物検疫所の厳しい審査を受ける必要があります。以下の手順を踏むことで、スムーズな帰国が可能です。
- 帰国前の事前届出(40日前まで)
日本へペットを連れて帰国する場合、出発の40日前までに動物検疫所へ届出が必要です。申請はメールまたはオンラインで行えます。 - マイクロチップの埋め込み
日本の基準(ISO 11784/11785)に合致したマイクロチップが必要です。マイクロチップの番号はすべての書類に記載されるため、ワクチン接種よりも先に装着することが推奨されます。 - 狂犬病ワクチンの接種(2回以上)
- 1回目:生後91日以降に接種
- 2回目:1回目の接種から30日以上経過後に接種
- 2回目の接種後、180日以上経過していないと日本入国後に係留対象となる
- 狂犬病抗体価検査
ワクチン接種後、指定の検査機関で抗体価検査を受ける必要があります。
- 抗体価が基準(0.5 IU/ml 以上)を満たしていること
- 検査日から180日以上経過していないと係留の対象
- 出国前の健康証明書取得
日本政府が指定するフォーマットの健康証明書(狂犬病ワクチン接種証明・マイクロチップ情報含む)を現地の獣医師から発行してもらいます。 - 帰国時の検疫申請
- 成田・羽田・関空などの空港では動物検疫所で手続きが必要
- 書類に不備があると、係留または最悪の場合、入国不可になることもあります。
日本帰国時の注意点
- 帰国のタイミングを逆算して計画を立てる(抗体検査から180日以上経過しているか)
- 事前届出を忘れない(40日前までに提出しないと帰国時にトラブルになる)
- 現地の獣医師と連携し、正しい書類を揃える
- 万が一、書類の不備があった場合に備え、帰国前に検疫所と確認を取る
フライト中のペットの安全対策
海外旅行には飛行機以外の選択肢も
飛行機での移動はペットにとって大きなストレスとなるため、事前の対策が重要です。特に移動に不安のあるペットや高齢のペットには、飛行機以外の選択肢も検討しましょう。
フェリー移動の選択肢:ニューかめりあ
博多と韓国・釜山を結ぶフェリー「ニューかめりあ」は、ペットと一緒に移動できる数少ない交通手段の一つです。
- 所要時間:約6時間(博多港 → 釜山港)
- ペットの乗船条件:専用のペットケージ使用が必要
- ストレス軽減:飛行機に比べて揺れが少なく、比較的穏やかな移動が可能
- 事前予約推奨:ペットの乗船枠には限りがあるため、事前にフェリー会社に問い合わせましょう
ペットとの移動に適した手段を選び、快適な旅を計画しましょう。
客室同伴できる航空会社
ペットと飛行機に乗る際、日本のほとんどの航空会社は現状ペットを手荷物として預ける必要がありますが、スターフライヤーはペットの客室同伴が可能なようです。
海外の航空会社にはペットを客室に同伴できるところも多く、中には日本路線でも利用できる会社もあります。
以下にペットの客室同伴が可能な航空会社をまとめています(2025年2月現在)。
日本の航空会社
- スターフライヤー
海外の航空会社
- ユナイテッド航空
- フィンエアー
- エアカナダ
- アシアナ航空
- エアインディア
ペットの同伴に関する規定は航空会社や路線、ペットの種類や大きさによって異なります。旅行を計画される際は、各航空会社の公式ウェブサイトやカスタマーサービスで最新の情報を確認し、必要な手続きを行いましょう。
渡航中のケアとトラブル対策
緊急時の備え
海外では環境の違いや移動ストレスにより、ペットが体調を崩すことがあります。獣医師の視点から、以下の準備を強く推奨します。
- 渡航先の動物病院をリストアップ
- 旅行前に最寄りの24時間対応可能な動物病院を確認しておく
- 旅行保険にペット医療費補償が含まれているかチェック
- 常備薬の携帯
- 持病がある場合、現地で同じ薬が入手できるとは限らないため、日本で処方された薬を多めに持参
- 万が一の胃腸トラブルに備え、整腸剤や下痢止めを準備
- 水分補給の徹底
- 長時間の移動や飛行機の乾燥した環境では脱水のリスクが高まるため、給水ボトルを携帯しこまめに水を与える
到着後のケア
到着後は、ペットの体調やストレスレベルをしっかり観察しましょう。
- 環境の変化に慣れるまで無理をさせない
- 初日はなるべく静かな環境で過ごし、食事やトイレのリズムを整える
- 現地の気候に注意
- 熱帯地域では熱中症のリスクが高まるため、日中の散歩は避ける
- 寒冷地では防寒対策を徹底
- 現地の動物とは触れ合わない
- 外国にいる動物は、犬猫に限らず日本にはない感染症を持っている可能性がある
- その感染症の中には人に移るものもあります
しっかりとした準備と対策を行うことで、ペットと安心して海外旅行を楽しむことができます。
まとめ
日頃から一緒に過ごしているペットと一緒に海外旅行をすれば、いつもとは違った場所で異なる体験をし、より絆が深まることでしょう。
飼い主とペットの両方が安心して旅行をするためには、しっかりとした準備と安全対策が必要です。
ぜひ、今回のガイドを参考に、素晴らしい旅行の計画を立ててみてください!
コメント